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ホームレスの ピアノマン

今日は 3月28日に考えている企画の
出演者の最終打ち合わせがあった

西成地区にある NPOカマナビの活動概要は
こんな感じだろうか

65歳以上のホームレス→ドヤをマンションにすることで住所を得る→生活保護をうけることができる→路上で暮らさなくてよい→一室でうっかりすると引きこもりになる→カマナビ事務所をお茶のみ場として開放する→おじさんたちがリラックスして集まる→何かやろやないか→紙芝居をつくり上演する

おおざっぱな経緯であるが
こんなふうにしてNPOかまなびのなかで
「かまなびごえん」というグループがつくられていった

昨年夏に この紙芝居の
公演場所として 一度ココルームを提供したことがある

そのときに いろいろ感じたことがあった
さしでがましいことなのだが
表現者としての 考えだったので 口にせず
わたしのなかで ずっと考え続けた

おじさんたちは 最初「そんなことできるはずない」と思っていたそうだが
慰問公演をかさね この紙芝居によって「収入を得たい」 と考えるようになった と
聞いたのが 昨年年末

わたしは この機を待っていた

直感で この紙芝居を
おじさんたち自らのビジネスモデルになればいいと 思っていたから

昨年 春 まったく別のルートから 東京の
山の手事情社 主宰の 安田雅弘氏が
「大阪の演劇」を考えたとき この西成地区の労働者に強い関心をもっている という話を
耳にした

この安田氏と 紙芝居のおじさんたちの出逢いをつくりたい と
ひらめいた 
自分で無茶なことを考えてるな と思いながらも
その 考えを捨てることなく 情報を集めたりしていた

安田氏の来阪がきまり  日程が示された

この機を待っていた

ココルームでは すでに催事ブックスアーカイブスがはいっていたので
これは お隣のスペースにお願いした 

カマナビの方に ココルームで公演しませんか と
おはなしした

彼らにとって はじめての有料公演を
うけいれてくれるかどうか 心配だったが
返事は「はい」だった

こうして すこしづつ企画を練り上げていった

安田氏を紹介してくださった人と 何度も 話し合い
「仕事と自立と表現」をテーマにきめた

今日は カマナビの方がココルームにきてくださって
話をつめることになっていた

打ち合わせがはじまったとき
扉が開いた

入ってきた男性は
「ああ 上田さん やっと あえました」とおっしゃった

わたしは 目を ぱちくりした

その方は 数日前 ココルームに
「ここなら ピアノを弾かせてもらえるらしい」ときいて やってきた方だった
その日 わたしは 不在だったので あとから スタッフに聞いた

もともと ピアノを仕事にしていたのけれど 職がなくなり
家を失い 住所もなく暮らしている身の上らしい ということ を

わたしは 思わず
たった今話し合っているこの企画に 出演してほしい と申し出た

彼は  「もちろんです」
おだやかに笑った

どのように紹介させていただいたら いいですか と尋ねると
「さすらいの ザ・ピアノマン」と にやっと笑った

「釜ヶ崎の三角公園でね 腐っていたんですよ
で することもないし ね
電池6つのカシオトーンを持って公園の真ん中で
バッハを弾いたんです
すると 響き渡っていくんですよ 音が
そしたら まわりの方が 拝んでくれたり 100円くれたり
ご飯くれたんですよ
若いホームレスの人がね わたしを指差して
ピアノマン! って 何回も何回も言うんです
それから ピアノマン」

バッハの 「インベンション」と「シンフォニア」全30曲の
CDをつくろうとしている方である

みんなでテーブルを囲み 話をした

スムーズな企画ではないことは承知である
スマートでもないかもしれない

けれど
わたしは これを多くの人にみていただきたいと願う

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大阪紙の芝居劇場
reading THE BIG ISSUEシリーズ第2弾
meet the big issue

大阪の西成あいりん地区は日雇い労働者が集中した地域である。
高度経済成長期には日本中からこの地域へ労働者が集められた。
やがて高齢化した労働者には仕事が少なくなり、
この地域でホームレスになることが多い。
数年前より、労働者専門のホテルをマンションに転換し、65歳以上の高齢者が生活保護をうけ、これら福祉マンションに暮らす仕組みが整ったが、単身者ゆえのひきこもり、生活保護受給者数の増大により財政への圧迫など、問題は多い。

また文化芸術事業に携わってきた者としても別の問題に直面する。
社会(公共)との共存と自立。

この時代と共存共栄していく為には、その地域社会のいろいろな出来事や取り巻く環境とコミットしていく事が必要不可欠であり、様々な人々の経験や体験を学び取れる機会の提供が必要だと感じる。

それらを相互し、自己開放し、社会に公言、仕事にしていく事が文化芸術の役割、真の社会との共存であり、自立だと考える。

■2年前から活動をはじめたNPO法人かまなびでは「かまなびごえん」という生活保護者による有志のグループが形成され、手作りの紙芝居公演が行なわれている。
この公演は、幼稚園や福祉施設などへ公演活動をおこない好評を博しているが、興行としての公演ではなく慰問公演である。

「かまなびごえん」の紙芝居が収益事業をおこなうことは、生活保護者が自分の技量によって収入を得ることになり、高齢者のビジネスモデルとなるだろう。その可能性に注目している。

■詩人の橘安純氏はいまもなおホームレス生活を続けているが、現在、路上で詩集を売りながら、また自転車修理工として、日々の生活を送る。氏はココルームでよく朗読されている。

■「THE BIG ISSUE」というホームレスの仕事をつくり、自立を支援する雑誌がある。ホームレスか、もしくは自分の住まいを持たない方々が路上でそれぞれ工夫しながら雑誌を販売する。月2回発行で、収益の一部を収入として生活費に充てている。

雑誌タイトルは「THE BIG ISSUE」であるが、事業タイトルとして、reading THE BIG ISSUEと表し、次へのステップとして動き出している出来事を表面化、顕在化を考える。

今回の目的である興行を社会的になりたたせるためにも、マネージメントや演出家からの専門的な助言も欠かせず、本公演は演出家やその関係者等と彼らとの出逢いの場をつくることも目指している。

アフタートークとして、東京から、全国の市民劇団のバックアップをおこなっている山の手事情社主宰の安田雅弘氏と
浄土宗大蓮寺住職、應典院主幹の秋田光彦氏を招き、対談を行ない、有志グループとの積極的な交流を図る。

と同時に、本公演は入場料を徴収する、興行としての実験的な試みである。
また、このような企画を継続して行ない、この出演者のなかから希望者とともに演劇集団を発足することも視野にいれる。

                大阪紙の芝居劇場実行委員会

実施概要
日時:3月28日(月) 18:30開場 19:00開演
会場:cocoroom(フェスティバルゲート4階)
入場料:1,500円(1ドリンク付)
お問い合せ:cocoroom

●“かまなびごえん”による紙芝居
●THE BIG ISSUE 販売員にきく  「社会をむすぶ仕事と自立」
●橘安純 朗読
●上田假奈代 朗読
●合田清 さすらいのザ・ピアノマン
●おはなし「社会をひらく仕事と表現」
    安田雅弘(山の手事情社 主宰)
    秋田光彦(大蓮寺住職、應典院主幹)

by books131 | 2005-02-02 20:18