戦時中の反戦詩について
宗左近さんという わたしの尊敬する詩人が
「桜の花よ」というエッセイをお書きになっている
1919年生まれの彼は
15年の戦争のあいだじゅう 「いやだな やりきれないな
逃げ出したいなあ」と思っていたそうです
でも 何もせず
体をわるくし徴兵検査を逃げ
みぢかな人が戦火でなくなるのを
見送っただけだったそうです
そして
その戦争の間 宗さんも
まわりの友人たちも
一行の反戦詩も書きませんでした
と 綴っています
じくじくたる思いが 伝わってくる
反戦詩なんて書いたら 人非人 投獄ものになる
家族も殺される
発することで 生きのびることもできなくなる時代
宗さんは つづける
カルベールカミュのことば
「われ反抗す ゆえにわれあり」
戦時中のフランスには 一般市民が手を握りあっての
反抗運動がありました
それが 戦後という民族の未来をつくりました
と
終戦から 60年が経過し
世界のあちこちで戦争はあるものの
この国で暮らすわたしは みぢかに戦争を感じることなどない いま
お年をめしたひとりの詩人が この告白をするとき
その思いを汲みたい と思う
考えなくちゃ と 思うの
けれど なにから
どうしたらいいのか
皆目わからないわ
春になれば
桜の花が咲くだろう
つづいていく未来にむかって
桜の花がうつくしく 咲けるように
毎日 考えよ
なにかタイミングあれば 動けるように
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今日は 着付け教室
あしたは 詩の学校
by books131 | 2005-01-25 15:39