藤井光くんからの情報

c.u.t 102 news
No.47 2009. 7. 1
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美術展「アトミックサンシャイン」に出展予定であった大浦信行氏の版画
作品「遠近を抱えて」が沖縄県立博物館・美術館で展示を拒否された。
http://www.alt-movements.org/art_censorship/oura/atomicsunshine_censorship/Welcome.html

昭和天皇のイメージを扱う大浦氏の作品に対し、同県の副知事であった館
長は「公正中立なものを扱うなどの観点から総合的に見て(展示は)適切
でない」と述べている(沖縄タイムス)。

公務員OBの再就職(天下り)先として文化・芸術施設が利用されるケー
スは多い。美術家ハンス・ハーケが美術館の運営委員と不動産売買のから
くりを作品によって暴露させたように、天下りを一つの要因とする、役人
に管理コントロールされる独立性と単独性を確保できない文化事業の実態
を明らかにするのもいいかもしれない。

芸術の公共性の議論が定まらない日本において、役人の気まぐれの暴風か
ら芸術表現を守るには、倒れない美術館の制度設計が必要だ。実力者が公
募採用されるイギリスの「公職任命コミッショナー制度」にでも学び、芸
術の独立性と単独性を制度的に確保していく。

この問題はまた沖縄都市モノレール株式会社の社長ポストを狙っていた人
物が美術館の館長となる馬鹿らしくもリアルな文化行政を批評しなければ
ならないと同時に、インディペンデント・キュレーター、指定管理者、美
術館の非対称な関係が露呈したともいえる。

コンクリートの塊を建てる前に、民主主義のタフネスを美術館に差し込む
工程がなぜ抜け落ちているのか、日本美術史の再考と足下の批評性を「遠
近を抱えて」は訴え続けている。

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1.「アトミックサンシャイン」沖縄展の検閲に抗議する美術展

【日時】2009年7月20日(月)~8月1日(土)12:00-19:30
【場所】Gallery MAKI(東京都中央区新川1-31-8) 
【詳細】http://sites.google.com/site/artaction2009/artaction2009intro

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2.カルチュラル・タイフーン2009 / INTER-ASIA

【日時】2009年7月3日(金)~7月5日(日)12:00-19:30
【場所】東京外国語大学 研究講義棟
【アクセス】多磨駅 徒歩5分 飛田給 徒歩10分
【詳細】http://www.cultural-typhoon.org/2009/jp/cinema-typhoon/

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c.u.t102
ネット情報社会の影響を多分に受けながら、応答可能な批評のオープン・
スペースの実現を目指す。不定系のクリエーター、会社員、教員、失業者
などが参加。
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藤井 光(ふじい・ひかる)美術家・映像ディレクター
欧州でメディア・アーティストとして活動を始め、現在、文化行政・法律
・労働と芸術の関わりについての制作・研究を行っている。
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by books131 | 2009-07-01 20:43 | イベント転載