「大阪の文化の未来を考える」緊急シンポジウムへの呼びかけ

「大阪の文化の未来を考える」緊急シンポジウムへの呼びかけ

 大阪の文化の未来はどうなるのか。この問題について、幅広い分野から考え、話し合う緊急シンポジウムを開催します。

 私たちは、大阪を拠点に活動している演劇・ダンスなど舞台芸術関係者の有志です。このほど、大阪府の橋下知事の改革プロジェクト・チームは、府の出資法人や施設の廃止を含む「財政再建プログラム試案」(PT案)を発表しました。これが実施されれば、府民生活のさまざまな分野に大きな影響が出ることが予想されますが、私たちはことに、文化領域への影響について深い危惧を抱いています。
 大阪府にとって財政再建が重要な課題であることは理解できます。かつての公共投資が残した問題や、各種事業の推進方法、施設の効率的な運用などには、私たち府民もおおいに関心を持ち、考えていかねばなりません。しかしながらこのところ、マスメディア等から流れてくる府の文化行政に対する“改革”の議論が、おしなべて経済性・効率性の論理で進んでいることに大きな疑念を持たざるを得ません。

 大阪府には、芸術・平和・人権・教育など、幅広い意味での「文化」の拠点として活動してきた拠点施設があります。街の歴史を反映させ、ユニークな活動を生み出して、全国的・国際的に高い評価を受けてきた拠点も少なくありません。その活動が「大阪の顔」を形づくる要素となり、大阪という都市への敬意や、人のにぎわいを生んできました。
 こうした文化拠点は、府から府民に、一方的に与えられた「ハコ」ではなかったはずです。それぞれの拠点は、地域文化の向上や、子どもや若者のより良い未来を願う府民の意思を受けて誕生し、それぞれに「ミッション(使命)」を帯びています。設置計画や方針決定、企画運営にも、各分野の専門家や研究者ばかりでなく、NPO、ボランティア、利用者ら、数多くの府民がかかわり、知恵と力を出し合ってきました。それらすべてを「ハコモノ」という言葉でひとくくりにし、活動を中断させることは、大阪の文化に対する人々の願いと、各拠点に託された使命を、行政自らが放棄することにほかなりません。またPT案は、各施設や出資法人の存続・廃止を判断する根拠とした価値基準については十分に納得のいく説明をしておらず、不透明な部分が多いと言わざるを得ません。
 自治体は私企業ではありません。市場原理にのらない、さまざまな文化的価値を守ることは、自由で平和な社会を築くための、行政の重要な責務です。文化にかかわる活動は、すぐに目に見える形で効果や結果が測れるものではありません。一度根を絶やすと、優れた人材や蓄積されたノウハウが失われ、貴重な資料も散逸して、二度と同じ活動が実現しない事態に陥ることを、しっかりとふまえておく必要があります。

 今回のシンポジウムには、PT案で、財団の廃止・撤退、建物の廃止・移転・集約などの判断が示された文化拠点から、実務にかかわって来られた人々をスピーカーとしてお招きしました。これらの拠点は、それぞれに専門領域が異なりますが、大阪の文化を支える役割を担ってきたという点では共通します。シンポジウムでは、各拠点の発言者から、改めてそれぞれの拠点の持つ使命と、人々が出会う場としての運営の軌跡、これまでの蓄積と展望、そしてPT案に対する意見などを出し合ってもらいます。
 まずは現場の声に耳を傾け、幅広い視点で、集った参加者全員から意見を出し合っていきましょう。大阪の文化の未来に関心を持つ人々に、参加を呼びかけます。

    「大阪の文化の未来を考えるシンポジウム」実行委員会


大阪の文化の未来を考えるシンポジウム
 日時  2008年4月30日(水)  午後6時半~9時
 場所  大阪市中央区大手前1の3の49
     ドーンセンター5階 特別会議室
      06・6910・8500
 定員  90名
 参加費(資料代) 300円

参加申し込みは 4月25日(金)までに
大阪市中央区東心斎橋2の1の27
周防町ウイングス6階
ウイングフィールドへ
電話 06・6211・8427

    発言者
     ・「ドーンセンター(大阪府立女性総合センター)における文化表現事業」
           ドーンセンター事業コーディネーター・田上時子さん

     ・「子どもの本と文化を子どもの未来につなぐ」
           大阪府立国際児童文学館館長・向川幹雄さん

     ・「上方演芸文化の継承と発展について」
           ワッハ上方(大阪府立上方演芸資料館)館長・伊東雄三さん

○この他にも、府の文化関連施設や財団のスタッフらからの発言が予定されています。

呼び掛け人
小堀純 (編集者)
福本年雄(ウイングフィールド代表)
岩崎正裕(劇作家・演出家、劇団太陽族代表)
深津篤史(劇作家・演出家、桃園会代表 NPO法人 大阪現代舞台芸術協会理事長)
大谷燠 (NPO法人 DANCE BOX代表理事)
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by books131 | 2008-04-21 18:41 | イベント転載