人生の天気
昨夜も 引越準備の大詰め
まさに 大きいものを詰めながら
窓からはいってくる風に
葛の花のにおいがして
季節が変わったこと
そして 自分がこの部屋にやってきたときのことを 思う
大阪に住むことになって
はじめての部屋だった
仕事は これまで やったことのない
フリーのライター
仕事があるかどうか 不安だらけだった
闇雲に大阪にきたわけではなかった
ひとつ ライターの仕事を紹介してもらえることになっていた
べつに 人材派遣で 広報の仕事もみつけ
それなりに 目算をたてての引越だったが
ここで いわゆる 幸せ に 生きていける とは
ひとつも思わなかった
(詩人として 生きていこう とも そのときは
ちっとも 思っていなかった
詩人であることは 職業ではなく
人生の歩み方として 詩人であることは
もう 揺らぎなかった
わたしに 詩を書くな と言っても
なにがあってもなくても 書きつづけるし
隣にすわった誰かに 朗読するから聞いてください と
そう言いつづけるやろうな と 知ってたから)
大阪で ある意味 幸せになれない という
そのことは いまでも変わっていない
それとは ちがう意味で 幸せなので
不満はないし ありがたいことだと思っている
ありがたい まま
いま こうして この部屋を去ろうとする
荷物を処分しながら苦笑する
あわただしい毎日になることを想像もしていなかったから
冷蔵庫は家族対応ぐらい大きいのを買ってた
ずっと 空っぽのままになるなんて 想像もできなくて
すべての しあわせは
こころが きめる
*
日本橋に 洗濯機を買いにいくまえに
トイレで ケータイを落とす
データ全消失
引越って かんじありますな
今日は 終日ココルームで雑務
明日が 引越
晴れても 雨でも 引越
人生の天気は わからないものなのよ
by books131 | 2005-05-05 18:31