朝鮮学校ダイアローグ

朝鮮学校ダイアローグ
―もうひとつのジモトの「風景」と「記憶」のアートプロジェクト―
2011年8月27日(土)~9月4日(日) 10:00-17:00
会場/旧岡山朝鮮初中級学校(岡山市南区藤田608-3)

主催: ダイアローグ岡山
共催: 岡山市芸術祭実行委員会・岡山市
助成: 芸術文化振興基金、 公益財団法人朝日新聞文化財団
http://www.artdialogue.jpn.org

1974年、岡山市西古松にあった岡山朝鮮初中級学校が藤田に移転した。高度経済成長期を経て新しく設立されたキャンパスには、岡山で生活基盤を築いた在日コリアンたちの未来への夢が詰まっていた。その後、2000年に、より充実した環境で教育をするために初・中級部を倉敷朝鮮初中級学校と統合され、今日に至る。「朝鮮学校ダイアローグ」の舞台となる旧岡山朝鮮初中級学校は、現在、体育館以外はキャンパスとしての役割を終え、幼稚園のみ運営されている。本アートプロジェクトは、在日コリアンの若者、地域社会で様々な活動にとりくむ者、県内外のアーティストや社会学者のダイアローグ=対話を通じて、もうひとつのジモトを表現する試みである。

私たちにとって、ジモトとは何だろうか? 「兎追いしかの山♪」といった故郷があるわけではない。都会でも田舎でもなく、郊外と呼ぶのもどこか味気ない。だからふだん何気なく口にするジモトくらいがしっくりくる。しかし、どうやってジモトという言葉に秘められた豊かさを語ることができるのだろうか。日本全国、どの地方都市を訪れても、どこかで見たような風景が広がっている。そんな均質な「風景」のなかで、生活する人びとの「記憶」までも均質化されることで、私たちが口にするジモトという言葉が示す場所でさえ掴みどころがないものになりつつある。

ジモトで生活しているのは、日本人のみではない。バックグラウンドや価値観も実に多様な人々が、それぞれに異なったジモトの「風景」と「記憶」を育んでいる。歴史に名を残さない、小さくて雑多だが、豊かな出来事や場面がジモトには埋もれている。朝鮮学校の「風景」や「記憶」をたどっていくと、高度経済成長期の地域社会や在日コリアンたちのローカルな生の営みが浮かびあがってくるとともに、植民地主義、東西冷戦といったグローバルな負の近代史がその背景として存在していることがわかる。それらのイメージの断片は決して閉ざされたものではなく、地域社会やこの広い世界で生活している他の人びととつながっている。このように考えてみることは、ふだんは語られることなのない、私たちが生活しているジモトをめぐるオルタナティヴ=もうひとつの「風景」や「記憶」を地域社会で育てていく契機となる。

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■現代美術展 <8月27日- 9月4日 10:00-17:00>
出展作家: 岡田 毅志、 川端 路子、 清水 直人、 ソン・ジュンナン、本田 孝義、
真部 剛一、 宮ヶ迫ナンシー理紗、 るんみ

■岡田 毅志(京都)
現代美術家。1967年生まれ。京都府在住。1992年京都市立芸術大学大学院美術研究科修了。「アートとは自分と現代社会との接点に、あるタイミングで必然と現れる」との考えから、作品制作、美術教育、アートマネージメントなどを並列して実践している。
■川端 路子(岡山)
1971年、岡山市生まれ。
大学入学と同時に自主制作で映画を撮り始める。
2000年に地元に戻り、以後、岡山在住。
主な作品「岡山物語」(2007)
■清水 直人(岡山)
美術家。変転極まりない時代とともに生じる文化。現実と虚構、仮想の世界が入り交じり、境界線が各個人によって全く異なる煩雑な時代において、所在ないアイデンティティーとナショナリズムを通して社会的アクチュアリティーの顕在化を行っている。
■ソン・ジュンナン(大阪)
1986年神戸市生まれ 2008年大阪芸術大学芸術学部美術学科 卒業
【主な個展・グループ展】 2011 「The end of end」 アトリエ2001、神戸
2008 「Fall Down」 共同アトリエ・3号倉庫、福岡
2007 「神戸ビエンナーレ2007」 メリケンパーク、神戸
■本田 孝義(東京)
1968年岡山県生まれ。法政大学卒。
長編ドキュメンタリー映画の制作と並行して、多数の現代美術展で映像作品を発表している。
主な作品は 「ニュータウン物語」、「船、山にのぼる」 など。
■真部 剛一(岡山)
現代美術家。1974年生まれ。身近な諸問題を主題にアートプロジェクトを展開している。近年は、様々な立場の人(障害のある人、高齢者、ホームレス、在日コリアン)に関する作品や、アジア圏でのアートワーク、瀬戸内海の島々での滞在制作等を行っている。
■宮ヶ迫ナンシー理紗(神奈川)
NPO法人多文化共生教育ネットワークかながわ(ME-net)事務局スタッフ
CRI-Children's Resource International運営委員。9歳でブラジルから来日。同世代の外国につながる若者をつなぐ活動や、映像等を通じたメッセージの発信、ブラジルの子ども支援など様々な活動に取り組む。
■るんみ(東京)
1984年生まれの在日コリアン3.5世。岡山朝鮮初中級学校に9年間通い、清心女子高等学校、ノ立命館アジア太平洋大学を卒業。現在、デザイナー、映像作家として活動中。主な作品「Twinkle☆」2008年、「GIRLY」2010年、「近くて遠い学校」2010年(市民がつくるTVF2011にてビデオ大賞受賞)

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■「在日の記憶」資料展示
在日コリアンと県内外の社会学者の主導によって、旧岡山朝鮮初中級学校(藤田)にかかわり合いをもった人びとを中心として、地域社会=ジモトの在日コリアンの記憶に関する資料展示を行います。この展示には、在日コリアンの記憶を写真や文章を通じてあらわすこと、地域の在日に関する著書、論文、資料などを集積したライブラリーの役割を持たせることという二つの目的があります。

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[会期中スケジュール]
<8月27日(土)>
■チャンゴ演奏   12:30-13:00
朝鮮半島の伝統芸能チャンゴの演奏と踊り
出演者:金 克典 (大韓民国重要無形文化財第3号、男寺党ノリ日本支部所属)
■[シンポジウム]ダイアローグ  13:00-14:30
―「もうひとつのジモト」をアートする―
多様なバックグラウンドを持つ、作家個々人の経験や感覚から見た「ジモト」とは何なのか、自身が見てきた風景や記憶とは何だったのか。
様々な「ジモト」を表現した作品が朝鮮学校といういわば特殊な場に持ち寄られ、ダイアローグが交わされるとき、まだ見ぬ「もうひとつのジモト」が立ち現れてくるだろう。
パネリスト:
出展アーティスト、川端 浩平 (京都大学GCOE研究員)、森末 治彦 (社会学者)
■「人と言葉、リズム」 15:00-16:30
ラップ・ワークショップ
1. 初めにラップの説明(歴史、実演、方法)
2. 参加者各自のライム(詩)作成
3. 参加者が作成した詩を繋ぎあわせて一つの曲を作成
講師: フニ (ラップミュージシャン)
2002年、ラップグループ「KP」として活動を開始。2006年、映画「GO」の舞台を全国公演に俳優として参加、舞台音楽も手がける。2010年1月、KPの5thアルバム「いくおとせいくん」をリリース。LIVE活動以外にも大学や、中学校でラップのワークショップなども実施している。
参加者募集中! 希望される方は事務局へお申込み下さい
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<8月28日(日)>
[シンポジウム]
■ダイアローグ 11:00-12:30
―ふたつの学校のダイアローグ― 
朝鮮学校と第二藤田小学校の子どもたちのあいだに交流が生まれた。両校の元校長先生を招いて交流の背景や当時の思いを語っていただく。
パネリスト:
佐藤 脩二(第二藤田小学校元校長)、李 義哲(岡山朝鮮初中級学校元校長)
■チャンゴ演奏  13:30-14:00
■[シンポジウム]
ダイアローグ 14:00-15:30
―越境するジモト ダイアローグ岡山は何を目指すべきか―
私たちは、生き延びるためにフクシマから逃げることを考える。
でも、フクシマがジモトだとしたら?
私たちはニッポンから逃げられない。ニッポンがジモトだから?
私たちはアジアから逃れられない。アジアがジモトだから?
ともに生き延びるために、私たちそれぞれのジモト感覚の差異について「ダイアローグ=対話」を始めてみたい。それぞれに社会学的なフィールドワークや多文化共生の活動の当事者として考察を深めてきたパネリストたちとともに議論する。
パネリスト:
川端 浩平(京都大学GCOE研究員)、塩原 良和(慶應義塾大学法学部 准教授)、金
泰植(獨協大学、聖心女子大学 教員)、轡田 竜蔵(吉備国際大学社会学部准教授)、松田葉子(元・日米タイムズ記者)、他
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<9月4日(日)>
■フットサル大会 10:00-12:00
 [参加希望の方は事務局へお申込み下さい(1チーム5名で参加)]
■焼き肉パーティー 12:30-14:00
 [参加費1500円(ドリンク代別)、参加希望の方は事務局へお申込み下さい]

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[交通アクセス]
■車でお越しの方 [駐車場有・グラウンド]
 国道30号線より大東交差点を右折[約30分]
■バスでお越しの方[約30分]
・岡電バス/当新田・大東行 51番、大東・藤田団地北行 52・62番
・両備バス/渋川行、秀天橋行、国道フェリー行
「大東」下車。おかやま信用金庫前の用水路沿いに南へ歩き、徒歩15分。
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by books131 | 2011-08-27 14:51 | イベント転載