子ども「20ミリシーベルト」撤回と被ばく量最小化要請

みなさま

FoE Japanの満田です。

20ミリシーベルト撤回に向けては、1,074団体および 53,193人の連名を頂き、あ
りがとうございました。みなさまの声を後ろ盾にした政府交渉では、政府のさま
ざまな矛盾が浮き彫りになっています。

グリーン・アクション、グリーンピース・ジャパン、原子力資料情報室、フクロ
ウの会、美浜の会、国際環境NGO FoE Japanでは、撤回に向け、さらに要請行動
を続けていきます。下記のように、署名活動、第2弾を開始いたしました。

今回は、子どもたちの被ばく最小化にむけた要請も入れ、県内の取り組みも応援
したいと思っています。

引き続き、署名・拡散・議員への働きかけなどに、皆様のご協力がいただければ
幸いです。

<拡散希望! 第1弾でご署名いただいた方も、ぜひ改めてご署名ください>

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福島原発事故「20ミリシーベルト」撤回委署名第2弾

子ども「20ミリシーベルト」基準の即時撤回 および 
被ばく量の最小化のための措置を求める緊急要請

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>署名はこちらのサイトから
 http://blog.canpan.info/foejapan/archive/19

>要請のPDFバージョンはこちら
 http://dl.dropbox.com/u/23151586/petition_20mSv_part2.pdf

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私たちは、福島の子ども達を放射能から守るために、日本政府に対し以下を要請し
ます。

1.4月19日に文科省が示した学校等の校舎・校庭等の「20ミリシーベルト基準」
の即時撤回および現行の1ミリシーベルト基準の維持(注1)

2.子どもの被ばく量を最小化するためのあらゆる措置を政府の責任で実施するこ
と。また、自治体や市民団体、個々の市民自らが被ばく量を低減させるために実施
する、除染・自主避難・疎開などの自主的な取り組みが円滑に進むよう、最大限の
支援を行うこと

3.内部被ばくを考慮に入れること

4.屋外で3.8マイクロシーベルト/時以下になったとしても、モニタリングを継
続すること(注2)

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【背景】
4月19日、文部科学省は、学校等の校舎・校庭等の利用判断における放射線量の目
安として、年20ミリシーベルトという基準を、福島県教育委員会や関係機関に通知
しました。この年20ミリシーベルトは、屋外で3.8マイクロシーベルト/時に相当
すると政府は示しています。これは以下の点で、極めて憂慮すべき基準です。

・3.8マイクロシーベルト/時は、労働基準法で18歳未満の作業を禁止している
「放射線管理区域」(0.6マイクロシーベルト/時以上)の約6倍に相当する線量
である

・20ミリシーベルト/年はドイツの原発労働者に適用される最大線量に相当する

・原発労働などによって白血病を発症した場合の労災認定基準は、5ミリシーベル
ト×従事年数である (注3)。実際に白血病の労災認定を受けているケースで、2
0ミリシーベルト/年を下回るケースもある。

・本基準は、子どもの感受性の強さや内部被ばくを考慮に入れていない

・本基準により、子どもの被ばく量を低減するための取り組みをやめてしまった学
校も多い

・3.8マイクロシーベルトを下回った小中学校・幼稚園・保育園・公園におけるモ
ニタリングが行われなくなった

【高まる撤回を求める声】
20ミリシーベルト撤回を求める要請第1弾では、61か国から1,074団体および53,19
3人の電子署名が集まり、5月2日に日本政府に提出されました。日本国内外の怒り
の声が結集した結果を生みました。また、海外の専門家からも多くの憂慮の声があ
げられています。

【政府交渉で明らかになったこと】
20ミリシーベルト撤回に向けて、5月2日に行われた政府交渉では、政府側からは下
記の発言が飛び出しました。すでに「20ミリ」の根拠は完全に崩れています。

・原子力安全委員会は、「20ミリシーベルト」は基準として認めていないと発言。
また、安全委員会の委員全員および決定過程にかかわった専門家の中で、この20ミ
リシーベルトを安全とした専門家はいなかったと述べた。

・原子力安全委員会が4月19日に示した「助言」(20ミリシーベルトは「差し支え
ない」)は、助言要請から2時間で決定されたが、決定過程においては、正式な委
員会も開催されず、議事録も作成されなかった。

・原子力安全委員会は子どもの感受性の高さに鑑み、大人と区別する必要があると
発言したが、それに対し、文科省は区別する必要はないと発言した (注4)。

・厚生労働省は、放射線管理区域(0.6マイクロシーベルト/時以上)で子どもを
遊ばせてはならないと発言したものの、放射線管理区域と同じレベルの環境で子ど
もを遊ばせることの是非については回答しなかった。

・原子力安全委員会は内部被ばくを重視するべきだと回答しているが、文科省はシ
ミュレーションで内部被ばくは無視できると結論した(注5)。しかしこのシミュ
レーションの根拠は、示されていない。

以上のことから、私たちは、改めて、20ミリシーベルトの撤回とともに、子どもの
被ばく量を最小化するためのあらゆる措置を行うことを要請します。
                                 以上

呼びかけ団体:グリーン・アクション、グリーンピース・ジャパン、原子力資料情
報室、福島老朽原発を考える会(フクロウの会)、美浜・大飯・高浜原発に反対す
る大阪の会(美浜の会)、国際環境NGO FoE Japan

(注1)現状、超えている場所については、あらゆる手段を使って、低減に努める
べきである。

(注2)福島市防災情報サービス「屋外活動制限対象小学校等の環境放射線測定結
果」および平成23年5月1日付「福島県環境放射線再モニタリング調査結果につ
いて」によれば、2度連続して基準を下回った学校等では計測が中止されている。
これは、「3.8マイクロシーベルトを下回ればよいということではなく、モニタリ
ングにより、状況を把握していく」とした5月2日文部科学省・原子力安全委員会の
答弁と完全に矛盾する。

(注3)労働省労働基準局(基発810号)「電離放射線に係る疾病の業務上外の認
定基準について」。被ばく量の「相当量」について、解説の第2の5番で、白血病
の場合は0.5レム(=5ミリシーベルト)×従事した年数としている。

(注4)文科省は、この理由としてICRPも区別していないとしたが、実際は、ICRP
のPub.36「科学の授業における電離放射線に対する防護」(1983年)では、18才以
下の生徒が実験などで被曝する可能性がある場合を想定して、一般人の被ばく限度
の10分の1にすることを勧告している。

(注5)両者とも食物による被ばくは考慮していない。

※本要請への署名は20ミリシーベルト基準が撤回されるまで当面継続し、文部科学
省、厚生労働省、原子力安全委員会、原子力災害対策本部、その他対政府交渉など
の機会に提出させていただきます。

※署名に参加されるとともに、地元選出の国会議員に対して、本要請に対して連名
し、国民とともに「20ミリシーベルト」「子どもの被ばく最小化」を求めていくよ
う、働きかけをお願いします。

問い合わせ先:国際環境NGO FoE Japan
E-mail: finance@foejapan.org

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参考:【緊急声明と要請 第1弾】

子どもに「年20ミリシーベルト」を強要する日本政府の非人道的な決定に抗議し、
撤回を要求する


4月19日、文部科学省は、学校等の校舎・校庭等の利用判断における放射線量の
目安として、年20ミリシーベルトという基準を、福島県教育委員会や関係機関に
通知した。この年20ミリシーベルトは、屋外で3.8マイクロシーベルト/時に相
当すると政府は示している。


3.8マイクロシーベルト/時は、労働基準法で18歳未満の作業を禁止している
「放射線管理区域」(0.6マイクロシーベルト/時以上)の約6倍に相当する線
量を子どもに強要する、きわめて非人道的な決定であり、私たちは強くこれに抗
議する。


年20ミリシーベルトは、原発労働者が白血病を発症し労災認定を受けている線量
に匹敵する。また、ドイツの原発労働者に適用される最大線量に相当する。


さらにこの基準は、大人よりはるかに高い子どもの感受性を考慮にいれておらず、
また、内部被曝を考慮していない。


現在、福島県によって県内の小・中学校等において実施された放射線モニタリン
グによれば、「放射線管理区域」(0.6マイクロシーベルト/時以上)に相当す
る学校が75%以上存在する。さらに「個別被ばく管理区域」(2.3マイクロシー
ベルト/時以上)に相当する学校が約20%も存在し、きわめて危険な状況にある。


今回、日本政府が示した数値は、この危険な状況を子どもに強要するとともに、
子どもの被曝量をおさえようという学校側の自主的な防護措置を妨げることにも
なる。


文科省は、20ミリシーベルトは、国際放射線防護委員会(ICRP)勧告Pub.109お
よびICRP3月21日付声明の「非常事態収束後」の基準、参考レベルの1-20ミリ
シーベルトに基づくとしているが、その上限を採用することとなる。


21日現在、日本政府からは、本基準の決定プロセスに関しては、何一つ具体的な
情報が開示されていない。また、子どもの感受性や内部被曝が考慮されなかった
理由も説明されていない。文科省、原子力安全委員会において、どのような協議
が行われたのかは不明であり、極めてあいまいな状況にある(注)。

私たちは、日本政府に対して、下記を要求する。


・子どもに対する「年20ミリシーベルト」という基準を撤回すること

・子どもに対する「20ミリシーベルト」という基準で安全とした専門家の氏名を
 公表すること


(注)4月21日の政府交渉で、原子力安全委員会は正式な会議を開かずに、子ど
もに年20ミリシーベルトを適用することを「差支えなし」としたことが明らかに
なった。また、4月22日、5人の原子力安全委員の意見とりまとめについて議事録
は無かったと、福島瑞穂議員事務所に回答している。


(参考)
4月21日付ドイツシュピーゲル誌の20ミリシーベルト設定に関する記事(「文部
科学省、子どもたちに対してドイツの原発労働者と同様の被曝限度基準を設定」)
より、専門家のコメント

エドムント・レンクフェルダー(オットーハーグ放射線研究所)

「明らかにがん発症の確率が高まる。基準設定により政府は法的には責任を逃れ
るが、道徳的には全くそうではない。」

※※参考情報:4月21日、文科省・原子力安全委員会との交渉報告(FoEブログ)
http://blog.canpan.info/foejapan/daily/201104/21
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by books131 | 2011-05-10 16:58 | イベント転載