7分野の現場の声 冊子「大阪の貧困」発行

7分野の現場の声 冊子「大阪の貧困」発行
http://www.nnn.co.jp/dainichi/news/100727/20100727024.html

大阪の貧困問題を支援者や当事者の声で読み解く冊子「大阪の貧困 格闘する現場
からの報告」が刊行された。女性や野宿者など7分野について、生活困窮に至る過程
や、必要な対策などが示されている。約30団体でつくる「反貧困ネットワーク大阪実
行委員会」が発行。2009年から定期的に開く学習会の内容をまとめた。
冊子では、貧困への“扉”がさまざまな場面で開くことを伝える。一家の稼ぎ頭が
大病にかかったとき、夫の暴力で女性が離婚したとき、家族がギャンブルやアルコー
ルの依存症になったとき-。多くの人が無関係ではない中で、一度貧困に陥ると容易
には抜け出せない社会の構造を明らかにする。
病気が長引けば、生活費の確保も難しくなる療養現場。母子家庭は、子育てと仕事
の両立の中で低収入の環境から抜け出せない。親の困窮は、子供の学力低下を招く場
合も多く、貧困の連鎖は続いていく。
一方で対策の提案もある。高校教諭は、子どもたちが貧困の仕組みを理解し、対応
力を向上させる授業を紹介。住宅問題に取り組む専門家は、公営住宅を生活困窮者の
セーフティーネット(安全網)に役立てる制度を求める。
偏見の解消も重視される。さまざまなきっかけを経て行き着く野宿生活。一人一人
の人生があり「野宿者を一緒くたに見てはならない」と訴える支援者は、「社会の役
に立たない」などの偏見が解消されないと「野宿者の襲撃という深刻な問題は解消さ
れない」と指摘する。
また精神保健福祉士からは、意思の強弱などで片付けられがちなギャンブルやアル
コールの依存症問題で、「意思ではどうにもならない疾病」との認識で支援するよう
呼び掛ける。
貧困問題の学習は支援者側にも変化をもたらしている。冊子を編集した伊東弘嗣司
法書士は、これまでギャンブル依存による借金問題の解決に尽力。学習会で依存症に
ついてあらためて見詰め直し「周りの家族を含めた貧困問題としてとらえられるよう
になった」と話す。
同実行委員会事務局長の小久保哲郎弁護士は「一見異なる分野でも貧困というキー
ワードで見ると諸課題が有機的につながっている」と強調する。

大阪では、日雇い労働者の街・釜ケ崎があって野宿者は多く、生活保護受給者は急
増中。小久保弁護士は「行政は、生活困窮者を“お荷物”扱いするのか、貧困を生み
出す労働、社会保障制度の再構築を国に求めていくのか、大阪の街は全国に先駆けて
その選択を迫られている」と力を込める。
現在も学習会は続いており、続編の刊行も検討されている。A5判。100ペー
ジ。800円。
問い合わせは電話06(6885)0074、伊東司法書士事務所へ。
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by books131 | 2010-07-27 11:37 | イベント転載